初期研修

山梨大学医学部付属病院
脳神経外科研修プログラム

プログラムの目的

本研修プログラムは、初期臨床研修において脳神経外科臨床に従事することにより一般臨床医としての素養を高めるとともに、将来、脳神経外科専門医を目指す医師の初期研修としても位置づけている。
一般臨床医に不可欠な脳神経外科領域の知識を習得するという観点から、主に神経学的診断および放射線学的診断技術を身につけることに重点を置き、実際の診療において、初診時の適切な処置と脳神経外科医への的確なconsultationができるようになることを目標としている。

プログラムの特徴

脳血管障害、頭部外傷に代表される救急疾患や、脳腫瘍、機能的神経疾患、小児脳神経外科疾患、脊椎・脊髄疾患など幅広い脳神経外科疾患の診療について、各疾患の専門医との双方向的なコミュニケーションと学術的なカンファレンスを通じて学ぶことができる。

指導医紹介

プログラム指導責任者

プログラム指導責任者

山梨大学医学部付属病院
脳神経外科

科長木内 博之

指導医

指導医

八木 貴

臨床経験:23年

専門医等資格
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脊髄外科学会認定医
専門領域
脊椎・脊髄外科、機能的外科
指導医

吉岡 秀幸

臨床経験:22年

専門医等資格
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 血管内治療専門医
  • 脳卒中の外科技術指導医
専門領域
脳血管障害、脳循環代謝
指導医

橋本 幸治

臨床経験:18年

専門医等資格
  • 脳神経外科専門医
  • 血管内治療指導医
  • 脳卒中専門医
専門領域
脳血管障害、血管内治療
指導医

埴原 光人

臨床経験:12年

専門医等資格
  • 脳神経外科専門医
  • がん治療認定医
専門領域
脳腫瘍

上級医

上級医

福田 憲人(留学中)

臨床経験:7年

専門医等資格
  • 脳神経外科専門医
専門領域
脳血管障害

プログラムの管理運営

研修プログラムについては、年度末に診療科長、病棟医長、外来医長、指導医で構成される指導医スタッフ会議において、前年度の研修の評価を行い、必要に応じてプログラムの改定を行う。

受け入れ定員

受け入れ定員 各期(3ヶ月)4名

研修到達目標

行動目標

  • 患者、家族に良好な態度で接し、人間関係を確立できる。
  • 医療チームの構成員として、協調することができる。
  • 診療録を遅滞なく正確に記載できる。
  • 患者の問題を把握し、適宜上級医に報告することができる。
  • 安全管理の方策を身につける。
  • 患者、家族との信頼関係を構築し、適切な医療面接を行うことができる。
  • 適切な症例提示と討論を行うことができる。

経験目標

  • 経験すべき診察法、検査、手技
    • 基本的な神経学的診察法の実施と記載
    • 意識障害患者の診察とプライマリーケアの実施
    • 基本的な神経心理学的評価
    • 腰椎穿刺、髄液検査の実施
    • 神経生理学的検査(聴性脳幹反応、体性感覚誘発電位)の実施、評価
    • X線、CT検査、MRI検査の読影
    • 脳血管撮影の介助
    • 穿頭手術、開頭手術の助手
  • 経験すべき症状、病態、疾患
    • 脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)
    • 頭部外傷、外傷性頭蓋内出血(急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫)
    • 脳腫瘍
    • 視床下部・下垂体疾患(内分泌障害、下垂体機能障害、下垂体腫瘍)
    • 脊椎疾患(変形性頚椎症、椎間板ヘルニア)
    • 頭痛を生じる一般的疾患(偏頭痛、緊張性頭痛など)

研修目標達成度の評価法

病棟において病棟医長が研修到達目標チェックリストを用いて、日常診療における進展度、習得状況を評価する。
評価は1ヶ月毎に行われ、本人にフィードバックすることにより次の到達目標が設定される。
また、項目別のレポート提出とディスカッションを適宜行う。
週1回の症例検討会での発表を行い、到達度を評価する。

協力病院・施設における研修

短期研修(3ヶ月)であるため、院外での研修は予定していないが、希望により関連病院において対処可能である。

3年目以降の研修について

初期研修を終了した後の4年間で、神経科学に通じる脳神経外科専門医の育成を目指した後期研修プログラムに参加することが可能である。
本プログラムは、患者管理から診断、検査、治療の選択、血管内治療、外科治療にわたる臨床研修を通じて幅広く総合的な脳神経外科臨床能力を身につけ、日本脳神経外科学会専門医資格を得ることを目標としている。
また、今日の医学治療は科学的検証に基づいたevidence based medicineであり、その理解と実践には、科学的な考察力が必要である。
臨床研修と併せて、神経科学の基礎的あるいは臨床的研究を通じて科学的思考法を修得し学位を取得することも大切である。

そこで、本後期研修では、専門医取得を目標として臨床研修に専念する臨床専門プログラムと、臨床研修に加えて神経科学研究や臨床研究を行い専門医と学位の両方を取得する大学院進学プログラムのどちらの選択も可能である。

さらに後期研修終了後の方針については、サブスペシャリティを持った一人前の専門医を目指して専門特化プログラムの履修や、臨床専門プログラム終了者においては大学院への進学など、個人の進路に合わせて選択が可能である。
また、大学院には、病院勤務をしながら夜間などに指導をうけ、研究し、学位を取得する社会人大学院コースも設置している。