講座紹介

講座の歴史

講座の歴史

当講座は、1984年に貫井英明初代教授のもと山梨医科大学脳神経外科として開講し、2002年の山梨大学との統合により山梨大学脳神経外科となりました。
2005年の貫井教授学長就任に伴い、木内博之が第二代教授に就任し、現在に至っております。

1984年(昭和59年) 山梨医科大学脳神経外科 開講
初代教授 貫井 英明 着任
2002年(平成15年) 山梨大学と統合し、山梨大学脳神経外科となる
2005年(平成17年) 二代教授 木内 博之 着任

開設時のスタッフは群馬大学から同行した6名でしたが、現在は16名となり、後期研修医が8名、同門会員は68名が在籍しております。
最初の関連病院は山梨県立中央病院で、その後医局員の増加に伴い県内中核病院にも医師派遣が可能となり、医療の提供と研修の場として連携を深めてまいりました。
この間に、計52名の脳神経外科専門医に加え、血管内治療指導医・専門医、神経内視鏡技術認定医、がん治療専門医、脊髄外科認定医など多くのサブスペシャリストが育っております。

山梨大学を基幹病院とする専門医研修プログラムは、山梨、栃木、埼玉、東京、静岡、長野の1都5県にまたがる6連携施設と20関連施設で構成されております。
当附属病院での年間手術件数は、初年度の105件から近年では約350件、基幹および連携6施設で約1600件、プログラム全体では6000件超となっております。
地域に根差した医療をめざし、脳疾患救急患者に対応する救急隊とのホットラインの構築や県内のてんかん診療を担うてんかんセンターも開設しました。

臨床では、脳血管障害を中心に研究発表を行ってまいりました。
開設当初は、顕微鏡手術なかでも脳動脈瘤のクリッピング術の確立に努め、その後、脳底動脈先端部動脈瘤や巨大脳動脈瘤などの高難度動脈瘤へと適応を広げました。
さらに内視鏡や蛍光血管造影による手術支援法を導入し、安全確実な外科治療を構築し、また、予後改善にむけて、脳循環代謝機能に視点を置いた診断法の確立や脳血管攣縮治療など周術期管理法の開発についても業績を挙げております。
近年では脳血管内治療も積極的に導入し、多関節型血管撮影装置を応用したmultimodal treatmentにより、多角的な治療戦略が可能となっております。
脳腫瘍においては、術中可動式高磁場MRIが導入され、摘出術の安全性と確実性が飛躍的に向上したことに加えて、質量分析計と人工知能を組み合わせた新たな診断法の実用化やMGMTのメチル化の新しい定量方法の開発を推し進めております。
脳脊髄液減少症についても研究を進めており、髄液循環動態、視神経鞘クモ膜下腔の変化、脊髄硬膜外髄液貯留の分布などの新たな知見を発信しております。

基礎研究においては、モントリオール神経研究所、カロリンスカ研究所、国立がんセンター、近年ではスタンフォード大学など国内外に医局員を積極的に留学させ、世界の最先端の研究を取り入れてきました。
特に、脳虚血、脳内出血および外傷に対する神経細胞とグリア細胞のストレス応答の機序や、脳虚血耐性現象の神経保護機構、さらには神経幹細胞による機能回復の可能性について研究発表を積み重ねております。
脳腫瘍では、グリオーマにおけるTGF-β等が賦活する免疫抑制機構や浸潤能について解析をすすめ、グリオーマの免疫逃避機構におけるトリプトファン代謝酵素の意義や上皮間葉転換の浸潤能に及ぼす効果の機序解明について報告しております。
研究費は、厚生労働科学研究費10課題、文部科学省科学研究費(科研費)基盤研究B・Cが34課題採択され、学内の基礎医学教室とも連携した研究を継続しています。

また、この間に、第22・47回脳卒中の外科学会 (1993、2018)、第11・26回脳神経外科手術と機器学会(2002、2017)、第30回日本脳神経外科コングレス総会(2010)、第20回日本神経内視鏡学会(2013)、第10回日本整容脳神経外科研究会(2017)、The 8th International Mt Bandai Symposium for Neuroscience (2018) 等、多くの学会を開催させて頂きました。
今後第29回国際脳循環代謝学会(Brain and Brain PET 2019)、第80回日本脳神経外科学会学術集会(2021)を主催させて頂くこととなっており、大変光栄に存じております。

施設

日本脳神経外科学会専門医訓練施設

日本脳卒中学会専門医研修教育施設

日本脳神経血管内治療学会専門医研修施設

在籍教室員

在籍教室員
日本脳神経外科学会専門医

11

日本脳卒中学会専門医

5

日本脳神経血管内治療学会専門医

2

日本神経内視鏡学会技術認定医

3

日本脊髄外科学会認定医

1

がん治療認定医

2