神経膠腫は、原発性脳腫瘍のおよそ1/4を占め、日本での年間発症数は、4000人程度と推定されています。
神経膠腫は、さらに以下の3つに分類されます。
星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
退形成星細胞腫(たいけいせいせいさいぼうしゅ)
膠芽腫(こうがしゅ)
星細胞腫が良性、膠芽腫が非常に悪性で、退形成星細胞腫は、その中間です。
退形成星細胞腫の手術後3年の時点での生存割合は60%程度、膠芽腫では20%程度とされています。
良性のものは、手術による病変の除去ができれば、経過を見ていきますが、再発などが予想されるものは、手術に加えて化学療法や放射線治療を行います。
手術でできるだけ病変を除去するほど、成績はよくなりますので、当科では、手術中にMRIを行い安全確実な手術を行っています。
左前頭葉の神経膠腫の(悪性度が高い膠芽腫の診断)術前MRIです。
この例では運動線維や大事な血管と腫瘍の位置関係を術前に検討しています。
術中のMRIです。腫瘍が摘出され、運動線維が温存されていることが確認出来ます。
術後MRIでは、腫瘍は摘出され、神経線維も描出されています。